蒼穹舎より写真集「MILESTONES」を刊行します

この度、写真集出版の老舗である蒼穹舎から私の写真集が出版されることとなりましたので、内容詳細のご案内と購入先のリンク、いつもの余談などなど書かせていただきます。

斎藤純彦写真集「MILESTONES」詳細

写真集のタイトルは「MILESTONES(マイルストーンズ)」。
写真に戻って来た2013年から継続して撮影を続けている自身の今在る場所についての写真で、2014年に新宿ニコンサロンで開催した写真展の系譜です。

写真の編集は蒼穹舎代表の大田通貴さん、装幀デザインは加藤勝也さんと、いつか自分が写真集を作る時が来たらお願いしたいと思っていたお二方にご尽力いただいた。印刷と製本は京都のサンエムカラーさん。

上製本(ハードカバー)のモノクロB4変型版で、サイズは幅255mm×高さ256mmのほぼ正方形。厚さは17mm程度です。本文104ページ、写真作品は98点を収録。
価格は4,320円(税込・10月1日からは税込4,400円)となります。

斎藤純彦写真集「MILESTONES」直販ページ
(内容見本あり・カード決済対応)


斎藤純彦写真集「MILESTONES」表紙

表紙は竹尾のTS-3タントセレクトシリーズN-1という凹凸加工がされた黒紙に、銀インクとニスで大きくトリミングした写真を印刷し、写真集タイトルと名前部分には黒の箔押し加工。

銀インクと黒箔は、光の当たり具合によって見え方の印象が大きく変わります(右画像・クリックで拡大表示)。
しかしこの仕様、特に上手くないブツ撮りと画像補正が更に大変でした…。

本文用紙には僅かに生成りに寄った風合いのあるガルバスCoCを使用し、モノクロダブルトーン+200線の高解像度印刷。

編集の大田さんと装幀デザインの加藤さんは、東京での初稿校正から京都のサンエムカラーにお邪魔しての本機校正まで立ち会っていただき様々なアドバイスや調整にご尽力いただいた。
印刷製本に関して膨大なノウハウのあるお二方のサポートは、とても心強く非常感謝。

直販限定バライタオリジナルプリント付き販売

今回、写真集単体の販売のほかに、写真集にバライタプリントをセットにした商品を直販ストア限定で販売致します。
プリントは、私が普段焼いているのと同じ大四つ切り(11×14インチ)サイズ。もちろんプリント作成から乾燥フラットニングまで私が作業したものです。

お選びいただける写真の絵柄は以下掲載画像の6種類で、それぞれのエデイション(販売数)は3点。裏面にサインとエディション番号が入ります。
価格は写真集とセットの販売で19,800円(税込・送料無料)。10月1日の増税以降は、21,800円(税込・送料無料)となります。

斎藤純彦バライタオリジナルプリント

使用した印画紙は2種類あり、以下の特徴があります。

  • イルフォード イルフォブロム・ギャラリー2号
    ほとんど無くなってしまった号数タイプのバライタ印画紙(このイルフォブロムも先日生産を終了)。初期のT-MAX100で撮影したものとの相性が良く、掲載画像上段の3カットに使用。
  • イルフォード マルチグレードFBクラシック
    イルフォードの定番バライタ印画紙。色調はごく僅かに温黒調で、私が普段のプリントや写真展の際に使用していて使いなれているもの。こちらは下段の3カットに使用。

正直なところ、印画紙での差異はほとんど感じないと思います。強いて言えばですが、イルフォブロム・ギャラリーの方はプリント方法や解釈を再考して新たに焼いた感じで、マルチグレードFBクラシックの方が今回の写真集の印象(印刷原稿になったプリント)のトーンに近いといったところでしょうか。

液晶モニターでの確認では環境によってどうしても差異が出てしまいますが、直販ストア掲載の1枚目の画像が実際の販売プリントをスキャンしたものです。商品詳細ページで拡大表示が可能ですので、以下プリント付き販売のカテゴリからご確認ください。

プリント販売のオマケ

それからプリント販売にはオマケが付きます。
過去にブログにも書いたことがあるもので、暗室作業をやったことがあったり経験は無くてもうっすら知っているなら面白がっていただける…かなと。

いや、そんな大したモノではありませんが、せっかくこんなご時世にゼラチンシルバープリントなのだから、人が作業した痕跡みたいなものもお付けしたいなと思って。あくまで単なるオマケです。

写真集制作の余談

さて、ここからいつものブログらしく余談と寝言です。

蒼穹舎の大田さんに、写真集を作りたいのですが…とご相談したのは結構前で2016年の夏。
photographers’ galleryでの写真展に合わせて、自分で中綴じの作品集を作ったことが大きかったように思う。ハードカバーのしっかりとした、本としての写真集を作りたいと考えるようになった。

それまでも、いつか作るんだろうなぁ…と漠然とは考えてはいたのだけれど、絶対に作るんだという意志はもっと早く明確に持って置くべきだったというのが今にして思う反省点。

ただ、時間が掛かったことによって2016年の夏以降だけで撮影本数も500本ほどは増え、結果的に写真集の質は上がったかなぁ…と。

写真集のタイトルとデザイン

斎藤純彦写真集「MILESTONES」装幀デザイン

当初タイトルを写真展と同じ「Milestones」(先頭のみ大文字)で予定していたのですが、加藤勝也さんのデザインラフで全て大文字表記になっていた。

直して貰おうかと思ったものの、写真展は写真展だし写真集は写真集で別のものなのだから、同じ単語なのに別の表記というのは案外いいなと思い、そのまま大文字の「MILESTONES」となった次第です。

表紙デザインの黒紙に銀インク(右画像・クリックで拡大表示)という印刷は、以前海外の作家がやっているのを見たことがあり、カッコいいなとは思えど自分の写真には合わないと思っていたが、そうか、表紙ならイロイロやれるのか。
写真を選ぶことなどもそうですが、こういった一人でやっていたのでは気付かない部分が誰かと一緒に作ることのメリットだろう。

編集について

斎藤純彦写真集「MILESTONES」

写真集の編集は蒼穹舎の大田通貴さん。
編集というのはナカナカ分かりづらいが、用意された写真からどういったセレクトや流れを構成するかという大切な作業。

実は編集というものに自分がどういった意見を持てるのか、私自身心配に思う面もあったが全くの杞憂だった。
いや、見たら分かるもんでした。自分の写真だからというのが大きいでしょうけれど。

事前の理解のために紙資料も作ってお渡ししたが、それよりも大田さんご自身も撮影地となっているこの丘陵地帯に知見があり、「見慣れた風景」という感覚を共有できたことが非常に重要と言うか良かった部分ではないかと思う。

写真集を構成する写真は、2014年に新宿ニコンサロンで写真展を開催したものの系譜で当サイトにも掲載していますが、展示した46点のうち写真集掲載はおよそ1/3の14点のみで、大半が未発表のものです。写真展のDMに使った看板写真も選に漏れた。
もちろん、カッコいい順にピックアップした編集ではないので、収録されなかった写真も展示でどんどん出して行く予定です。

また、先に作成した作品集「Orchard」と今回の「MILESTONES」はほぼ同じ場所で撮影されているのですが、あえてOrchardの展示にも作品集にも入れていなかったこの2つを繋ぐ写真も上手く織り込んでいただいています。

プリントについて

当たり前ながら、過去のプリントは印刷原稿用に焼いていたわけではないため、黒過ぎるものも多く焼き直しに大難儀した。完全に潰れたシャドーからは高性能スキャナでも調子を拾えないワケで。
かと言って、潰れないように意識し過ぎると今度は全体に白っぽかったりと堂々巡り。

普段の暗室作業は焼かなくてはいけない数も多く、こだわってもう一枚焼くよりも許容範囲なら次へと流れ作業的に進む必要があるけれど、販売用のプリントは当然ながら十分時間を掛けてプリントを行った。こんなにちゃんと写真を焼いたのは初めてじゃないかなと思うくらい。

私的余談

今回、圧倒的に知識と経験の有る方々と一緒に作業することで、写真集の印刷や製本がどういった流れでどこに注意しながら進んで行くのかということに、多少なりとも触れられたのは大変嬉しいこと。
蒼穹舎から出版されている写真集は私も結構持ってはいるけれど、他人の写真の印刷を見るのと自分が暗室でプリントした写真の印刷を見るのとでは理解出来ることが全く異なる。

何がどうと明確には言えないが、こうして自分で全部やることと人に任せることを経て、次回というものに少し目を向けられるかなという思いも。
もちろん、私の狭い部屋をがっつり占拠している在庫をさばいてからの話ですけど…。

何はともあれ、斎藤純彦写真集「MILESTONES」ぜひお手に取って見て下さい。非常に良いものができましたので。

取り扱い先・販売先

直販ストアと蒼穹舎には常時在庫がございますが、それ以外の特約店や取扱店の在庫、送料等は各店舗にお問い合わせください。

斎藤純彦写真集「MILESTONES」直販ページ
(内容見本あり・カード決済対応)

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