WEBでの写真集の探し方

先日、twitterで写真集を買いたいんだけど…とメッセージをもらって(何故私に…?)、あれやこれやと調べてやり取りするうちに「ネットでの写真集の探し方」というのがコンテンツになるのではないかと思いついたのでまとめてみました。

写真集と言うと一般的にはアイドル写真集を指すことになるのでしょうけど、もちろんここでは写真作品としての写真集の話。アートブック・フォトブックや、アート写真集などと呼ばれるケースも多く目にするようになってきました。クベツムズカシイネ…

本当なら写真集を手に取って中身を見て気に入ったら購入するというのがベストなのでしょうけど、出版される写真集も和書に洋書に多種多様。首都圏に住んでいても欲しい写真集の在庫があるお店を見つけるのはナカナカ難しい。
私自身、買う機会は増えてきたものの全くの写真集初心者ですが、装幀(装丁)や紙などモノとしても魅力があるのが写真集。その購入の一助になれば幸いです。

写真集のおススメ検索場所

その前に。書籍を通販で購入する際に、意外と見落としがちなのが大きさとページ数。届いてから「えっ?」と思わないように必ず確認を。写真集もハードカバーかソフトカバーなのかで結構印象が異なるので、その記載がないか探してみると良いと思います。

写真集のモノとしての魅力や良さというのはナカナカWEB上では判らないが、最近ではAmazon.co.jp(日本)の洋書レビューにAmazon.com(アメリカ)のコメントも表示されるようになっており、Google翻訳などを介して読んでみると印刷や製本などに言及されていることも多い。気になる写真集は英語レビューの一読もおススメ。
後半に記載した私が参考にしているブログなどでも言及されていることがあります。

また、古書の場合価格が安いに越したことは無いですが、中古の状態というのは千差万別。特に出版年代の古いものは、「綺麗」という評価であっても「その年代としては綺麗」だったりと判断の難しい面があります。出来るだけ詳細な記載がある信頼できる所を選んで購入した方が良いでしょう。

日本の古本屋(中古)

私が本を探す場合にほぼ最初に見るのはここ。全国古書籍商組合連合会加盟店の在庫を一括で検索でき、2015年早々にサイトがリニューアルし格段に見やすくなった。
状態の記載が登録店によってマチマチなのと、画像の掲載が少ないのが少々ネック。
書店とのやり取りは、2015年夏頃に新しく導入されたサイト内の「取引ナビ(どこかで聞いたな…)」を利用する仕様になった。ちょっとレスポンスの遅い書店があったり、在庫が無かったという返信が続いたり気になることも少々。

Amazon(新品・中古)

説明不要のAmazon。ですが、何でもあるようでいてAmazonでは売られていない写真集も多くあります。古書(マーケットプレイス)を購入する場合に保証はあるものの、定型文しか書いていない業者は避けるなど信頼できそうなところを選ぶように。
洋書が欲しい場合は、アメリカAmazonも見るようにしていますが、マーケットプレイスでの海外発送対応業者が少ないのと、それなりに送料が掛かるので利用頻度は低め。

ヤフオク!(中古・旧Yahoo!オークション)

こちらも説明不要のヤフオク!。ですが、業者さんの出品も多いものの基本的には個人間の売買となりますので状態や送料等はしっかり確認を。せどり(いわゆる転売)の人も多いせいかメジャーな作家の写真集が多く、マイナーなものはあまり見かけない印象です。
出品されている数が非常に多くカテゴリも曖昧なので、流して面白そうなものを探すには不向き。欲しい写真集が決っているなら検索してみる、といった使い方がいいと思います。

チェックする個別の書店さん

以下に挙げる書店はあくまで私個人が巡回しているサイトで、WEB通販特化型や実店舗がある所など様々ですが、写真集それぞれにコメントがあるものや書籍の内容の抜粋画像を掲載していたりと、閲覧するだけで楽しくいい意味で危険。
販売済み商品もそのまま掲載されている場合もあるので、欲しい写真集の内容などを調べる際も非常に有効に使わせていただいています。おススメ!

写真集の中身を知りたい場合に

好きな写真家の作品であっても、中身が判らないまま通販で購入するというのは若干バクチですので、まずは写真集のタイトルと作者名でGoogleの画像検索を。海外の作家の場合は必ず英名で(例:Lewis Baltz「San Quentin Point」)。
表示される画像全てが該当するものではありませんが、そこからリンクをたどるなどしてゆけばかなり確度の高い情報が得られると思います。

また、動画サイトvimeoでは写真集の全ページを見れるようにアップしている業者さんもありますので、写真家の名前で検索してみると良いでしょう(例:Walker Evans「Lyric Documentary」)。中身を全部というのは大丈夫なのかと若干心配になりますが…^^;

写真集についてのブログでは、共に精力的に写真集を発行している書肆蒼穹舎atsushisaito.blog、作家や作品については膨大な写真家や写真集を網羅されているp.a.r.kを参考にさせていただいています。非常感謝。

なお、写真家の方がホームページを持ってる場合、そこで作品が公開されている場合がほとんどですので忘れずチェック。WEBで見れれば十分という方もあるでしょうけれど、いい作品だと写真集欲しくなりませんか?

写真を見るという事を

写真集を買う・見るという行為は、残念ながら普通の人が普通に行う事とは言い難いのが現状です。写真展を見ることも然り。
写真史の文脈から云々といった読み解き方は当然必要なのでしょうが、今少し「写真を見る時にこういう所を、こういう見方をしてみると面白いよ」という解りやすい言葉で伝える方がいたり、その機会があってもいいように思う。

以下のリンクはアメリカの女性写真家ヴィヴィアン・マイヤーの写真集レビューですが、マイヤーの写真を見る手掛かりから、撮ること・見せること全般について平易に書かれています。深く感じ入ったのでぜひ読んでみて下さい。

オマケ:私家版・この写真集がすごい!

ぶっちゃけAmazonのアフィリエイトですが、自身が所有しておりかつ気に入っているものを選んでます(と言っても、好きな上位順というワケでもないのですが)。一部重複しますが、ページ一番下にも実際に購入して良かった写真集を随時更新しながら掲載しています。基本的には装丁やツクリではなく中身重視。

ただ、写真には絶対に「好みの壁」というものがありますのでその点はご注意ください。ちなみに中の人の写真はこんな傾向です。参考と宣伝までに。
中身が気になったら、先に書いた方法で検索してみてください。高梨豊さんの「地名論」だけはちょっと画像情報が少ないかな…


あるギャラリーの方が言ってました。「写真集を買わない人は写真が上手くならない」と。
それがホントかどうかはさて置き、人の写真は見た方がいいですよね。ネットでも写真展でも写真集でも。

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