日本の写真賞まとめ

先日、木村伊兵衛賞の受賞者が発表となりtwitterなどでも結構な話題に。その際に、写真家の名前が付いた賞ってどれくらいあるのだろう?と興味本位で調べたのですが、今回の記事は折角調べた写真賞をまとめてみようという簡単な趣旨です。

なお、wikipediaのカテゴリ「日本の写真賞」ページに掲載されている「キヤノン写真新世紀」やリクルート主催の「1 Wall」は写真コンペと勝手に判断し割愛。
ニコンの「Juna 21」やコニカミノルタの「フォト・プレミオ」も、写真賞ではなく公募の写真展なので除外しています。
正直、自分でも線引きがよく判りませんが「賞」と付くものを優先しまとめてあります。

出来るだけ客観的な情報のみとし正確を期しましたが、内容・詳細については各ホームページでご確認ください。

写真家・写真評論家の名前を冠した賞

木村伊兵衛写真賞

朝日新聞社主催。1975年創設。対象は新人作家。賞金100万円。
毎年1~12月の間の写真集・展示他、写真表現のあらゆる分野を対象として選出。

土門拳賞

毎日新聞社主催。1981年創設。対象は中堅作家。賞金100万円(一部30万円との記載も)。
毎年1~12月までの間に発表された作品(写真集・写真展・雑誌掲載等)から選出。

土門拳文化賞

酒田市土門拳記念館主催。1994年創設。対象は国内居住のアマチュア個人。賞金50万円。
10~30枚の組写真の一般公募形式。大賞に当たる土門拳文化賞の他、奨励賞3点も選出。

伊奈信男賞

株式会社ニコン主催。1976年創設。対象は毎年10月から翌年9月の1年間にニコンサロンで発表された作品から選出。賞金100万円。

三木淳賞

株式会社ニコン主催。1999年創設。対象は毎年10月から翌年9月の1年間に、35歳以下の公募「Juna21(ユーナ21)」で発表された作品から選出。賞金30万円(2018年度から若手支援の名称・方法変更の他、賞金300万円に)。
大賞に当たる三木淳賞の他、奨励賞も選出。賞金10万円。

林忠彦賞

周南市と周南市文化振興財団主催。1991年創設。対象は国内居住者。賞金100万円。
毎年1~12月の間に発表された作品(写真集・写真展・雑誌掲載等)の自薦・推薦から選出。

名取洋之助写真賞

公益社団法人日本写真家協会主催。2005年創設。対象は35歳以下。賞金30万円。
公募での作品募集。大賞に当たる名取洋之助写真賞の他、奨励賞も選出。賞金10万円。

上野彦馬賞

九州産業大学と毎日新聞社主催。2000年創設。賞金30万円。
一般部門…35歳以下の日本国内居住者、高校生・中学生部門…中高校生の中から選出。
他に、23歳以上の福岡県居住者が対象のファミリー部門など、各部門に多数の賞がある。公募のフォトコンテスト。

前田真三賞

風景写真出版主催。1999年創設。対象は風景・ネイチャー写真。
風景写真誌上で作品発表の機会を提供することを目的とし、賞金の記載は無い。二年をかけて予選・本選を行い選考。

秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞

同賞実行委員会・米沢市・米沢市教育委員会主催。2007年創設。対象は国内在住者の「花」「自然、生き物」「人物、スナップ」の公募写真。賞金30万円。
前記テーマの部門賞3点から文化賞1点を選出。部門賞2点は賞金3万円、入選も選出。

飯田市藤本四八写真文化賞

飯田市美術博物館主催。1997年創設。推薦されたプロの写真家の作品から選出。賞金100万円。
他にプロ・アマを問わない公募による藤本四八写真賞(賞金20万円)がある。

地方自治体・団体等の賞

写真の町東川賞

北海道上川郡東川町主催。1985年創設(飛彈野数右衛門賞は2010年から)。ノミネーターにより推薦された作品から選出。国内・新人作家賞は年度賞の様相をとらず、作品発表年から3年間までが審査対象。

海外作家賞…賞金100万円
国内作家賞…同100万円
新人作家賞…同50万円
特別作家賞(北海道に縁のある作家)…同50万円
飛彈野数右衛門賞(地域を撮り続け貢献した作家)…同50万円

なお、東川賞受賞作品は任意の寄贈という形で収蔵されるが、これまでの受賞・寄贈作品がWEB上で公開されている。このクオリティが結構凄い。

さがみはら写真賞

神奈川県相模原市主催。2001年創設。中堅作家、アジアの作家、新人の各賞があり、推薦された作品からの選考のようだ。アマチュア部門の公募も合わせて行われる。
相模原市総合写真祭「フォトシティさがみはら」のページはあるものの、「さがみはら写真賞」の要項といった情報が無いのはどうしたものか。出典が明示されていないが、wikipediaの記載を読んでもらった方が詳しい(2017年時点ではやや改善)。

日本写真協会賞

公益社団法人日本写真協会(PSJ)主催。1952年創設。日本写真協会正会員とノミネーターの推薦から選考。
国際賞、功労賞、作家賞、学芸賞、新人賞がある。国際賞は海外作家ではなく、日本写真文化のために国際的に功績があった作家。学芸賞の設定も特徴的。

写真の会賞

写真の会主催。1989年創設。作家ではなく「写真的行為に対して出される」賞。写真の会会員の推薦から、選考会での会員の討議により選考。
写真の会は「写真家ではない」ことが入会条件の一つというユニークな会。写真評論家や美術館学芸員、編集者の方なども名を連ねている。

写真賞についての戯言

掲載以外にも写真家の名前を冠したものに渡辺義雄賞(三条市美術展市展賞)がありましたが、詳細ページが無い為割愛。
有名どころでも講談社出版文化賞に毎日出版文化賞、EMON AWARD、ビジュアルアーツフォトアワードなどなど幾つあるんだと思う写真賞や公募。JPSやAPA展も賞があるはず。適度な所でまとめるのを諦めましたが、これに海外の賞も含めたら凄い数で。

あまり変な事を書くとアレなのですが(微妙表現)、デジタル時代に対象のジャンルを絞らない無差別級で、この作品とあの作品のどっちが優れているか?という判断は非常に難しいのではないかと感じます。

また、写真賞の応募規定や選考基準を読んで素人目に「?」と思うのは、「新人」の定義と「プロ・アマチュア」の線引きでしょうか。
新人を対象とする木村伊兵衛写真賞で10年選手が最終候補として残るケースもあったり。公募のプロ・アマチュアの別も、心配な場合は事務局等に問い合わせてみるのが確実でしょう。


公募の場合、写真サイズが決められているケースが多いのだけれど、「六つ切もしくは四つ切」というケースが非常に多い。
カラーの事情は詳しくないがモノクロの印画紙の場合、四つ切(10×12インチ)という日本サイズは選択肢がほとんど無くなり、国際サイズである大四つ切(11×14インチ)が主流。
募集要項に大四つ切でも大丈夫か明記してくれるとありがたいといつも思うのだが。モノクロの応募が多いであろう賞なら特に。


それから私事ですが、昨年開催した写真展「Milestones」を林忠彦賞に推薦いただいたという経緯があり、賞自体は中堅の実績ある方が受賞されましたが、自分の展示を見て賞に押してみようかと思ってくださった方があるというのは非常にうれしい事でした。

しかし、これだけ写真賞があるならどれか取れるかな?と思ってしまいますが、世の中そんなに甘く無いでしょうね…^^;

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