東川町国際写真フェスティバルに行ってきました

今年で30回目を迎える東川町国際写真フェスティバルに久し振りに参加したので、東川各賞の展示の感想やワタクシ事のレビューでの評価等々は置いておいて、東川町国際写真フェスティバルというイベント全体で思ったことなどを少々。

私は生まれも育ちも北海道ながら、写真の町・東川町に行くのは15年振り2回目。
前回はアンデパンダン展(現・写真インディペンデンス展)への出展で、今回は道の駅で行われるポートフォリオレビューが目的での参加。

なお、道外の方向けに書いておくと、北海道の玄関口である新千歳空港から東川に入るのは乗り継ぎの便が悪く相当の時間が掛かることもあるので、東川町に隣接する旭川空港を利用する方が格段に便利です。

東川で写真を見る、イベントも見る

今年2014年のメイン会期は写真甲子園の開幕する8月5日(火)から10日(日)までで、9日(土)と10日(日)に各種写真イベントが集中して行われた。

作品の講評を受けるポートフォリオレビューは、ニコンのユーナ21、事前選考のある赤レンガのオーディション、道の駅、パリデビューチャレンジと様々なものがある。自身が何を目指すかによって選択肢が広いのは非常にいいと思う。
予約しておいた道の駅のレビューの後に予約不要のニコンのユーナ21のレビューに飛び入りといったハシゴも、時間が合えば問題なくこなせる(今回私はそうした)。インディペンデンス展に展示して、道の駅のレビューにも参加という方もいらっしゃったようだ。

赤レンガのオーディションは見に行けなかったけれど、レビューで気になったのは「公開レビュー」と銘打っていながら、観覧者側からレビュアーの方の声が聞き取れなかったり、周りにスペースが少なく作品を見れないなど十分満喫できたとはいえない状況であったのがやや残念。
ただ、ユーナ21のレビューを担当された北島敬三さんは慣れてらっしゃって(ユーナのポートフォリオレビューは新宿で2カ月に1回開催されている)、文化ギャラリーの中庭という広い場所もあってさながらトークショーのレベルで楽しめた。

また、東川各賞の展示会場である東川町文化ギャラリーは、土曜日午後3時のテープカットまで作品を見ることが出来ないというのは少々遅すぎるのではないか。
午前中から各種イベントがあるので関係者が集まれるのがその時間ということだろうけど、折角の土曜日に半日見れないというのはちょっと厳しい。

様々な写真への関心

国際写真フェスティバルに合わせて町のお祭りも開催されており、道の駅と文化ギャラリー前までの道が歩行者天国となり、屋台や出店、子供向け大道芸のパフォーマンスなど多くの人出でにぎわっていた。

東川各賞の展示はテープカット後の午後4時頃に見て回った。が、意外と人がいない。
テープカット直後の波が引いた後だからとも言えるけれど、外のお祭りに来た人たちが東川賞の写真を見に流れ込んでいる風では無い。

「写真作品」というものを一般の人に届ける難しさということを改めて思う。
ありますよね?「これっていい写真なの?」「何を撮ったの…?」という、何とも言えないリアクションの経験。

また、写真というものは非常に裾野が広い。広いがゆえに、写真をやっている人であってもその意識の置きどころは様々だ。無論、何が良くて何が悪いということではなく。
質だけを求めて選別してしまえば、専門家による専門家のためのイベントになってしまい、隔絶の幅はどんどん広がり人を集めるということも叶わない。

もっと写真を見る、写真を読むという行為が一般の人にも広がればいいのに…と、何やらお茶お濁したような感想で終わりにしようか。


気になった事ばかり並べてしまったので苦言の様になってしまったけれど、地方自治体の写真イベントが30年続き全国的に認知されているというのは本当に素晴らしいこと。
様々な場で、写真を見る、見せる、見てもらう、そういったアクションが広がって行くといいなぁ。